続ウッドストック50周年の泥沼。アーティストは電通と契約していたので出演の義務はない+今度はプロダクションが降板。主催者は「間もなくチケットが発売できる」と豪語。

続ウッドストック50周年の泥沼。アーティストは電通と契約していたので出演の義務はない+今度はプロダクションが降板。主催者は「間もなくチケットが発売できる」と豪語。

主催者の1人でありオリジナルのウッドストックの開催者でもあったマイケル・ラングは、「絶対にやる」と豪語しているウッドストック50周年だが、現時点ではさらに雲行きが怪しくなっている。出資者の電通が降りたばかりか、今度はプロダクションを手がけるSuperflyも降りた。 Superflyはアメリカではボナルー・フェスなどを手がけている大手だ。 ローリング・ストーン誌が報じている。
https://www.rollingstone.com/music/music-news/woodstock-50-loses-superfly-829577/

ローリング・ストーン誌に彼らが語ったところによると、ウッドストック50周年のプロデューサーは、Superflyの長年の経験を信頼し、このイベントでコミュニティを作り上げてくれるはずと思って雇ったそう。しかし彼らは、電通が降板したことにより、「安全で、最高の経験をプロデュースすること」が不可能になったとみなして、降板することにしたという。これだけ経験のある会社が不可能と判断したのが痛い。

ローリング・ストーン誌はここからウッドストック50周年が立ち直るのは不可能ではないが、開催するためには、コーチェラを手がけるAEGか、ロラパルーザを手がけるC3などが救済する必要があると。

また、もう1つ不利な要素は、出演するアーティストは全員ウッドストック50周年と契約を交わしていたわけではなく、ギャラを全額払ってくれた電通と契約を交わしていた。
https://www.billboard.com/articles/business/touring/8509483/michael-lang-save-woodstock-booking-artists-funding-contracts-agencies

なので、電通が降板した段階で、アーティストがフェスに出演しなくてはいけない義務はなくなったということ。

しかしマイケル・ラングはNYタイムズに対して、「代わりの出資者との話し合いはもう行っている」「NY州からの会場の使用許可も数日で降りる」ので、間もなくチケットも発売できると語っている。さらに、このどたばたの最中に、トランプ大統領の弁護士を雇ったというのがなんだかもう怪しい。
https://www.nytimes.com/2019/05/01/arts/music/woodstock-50-michael-lang.html

このインタビューの中で、電通が降板することはまったく知らされていなかったと語っている。

さらに電通が降板した理由のひとつは、当初参加者は10万人見込んでいたが、7万5千人が現実的だと判明したことだと言われているが、それに対しては、ラングは、彼らは10万人以上収容できると思っていたのに、7万5千人だと主張したのはむしろ電通だったとも語っている。

またアーティストは全員ギャラが支払われているので、「あとは、NY州からの使用許可が数日で出るはずなので、それを待ってチケットを発売するだけだ」とも。

「1969年のウッドストックは、開催地から追い出されたが、翌日には開催地を見つけた。それがウッドストックの奇跡なんだ。だからどうやって説明すれば良いか分からないけど、ウッドストックというのはいつだってどれだけ懸命に打ち込むのか、ってことなんだ。僕らはみんな実現のために打ち込んでいる。だからここで止めるなんてこと絶対にないんだよ」

アメリカでは、オリジナルのウッドストックのドキュメンタリーが現在NYで行われているトライベッカ映画祭で公開される。予告編はこちら。

https://youtu.be/WEaMka89dM4

また今回のドタバタとみんなが比べる2017年の悪夢のフェスFyreのドキュメンタリーはNetflixとHuluで放送された。こちらNetflix版の予告編。


さて世界一儲かっているフェス、コーチェラのAEGが果たして救済するか?!
中村明美の「ニューヨーク通信」の最新記事
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