写真の銀色の物体はなにかといえば、
avengers in sci-fiの最新アルバム『Unknown Tokyo Blues』です。
ケースが汚くてすみません。出したり閉まったりして何度も聴いているうちに
こんな感じになってしまいました。
とにかく、まだこれ聴いていない人ははっきりと損していると思う。
2014年の空気と、アベンズの描くヴィジョンがぴったりと重なる地点で生まれた、時代を映すアルバムです。
このあいだ、きのこ帝国の“東京”を引き金に、今歌われる「東京」についてのブログを書きました。
http://ro69.jp/blog/ogawa/112509
そこでは長くなるので書かなかったけど、『Unknown Tokyo
Blues』で描かれる近未来の「東京」もまた、夢や理想とは程遠い、文明の成れの果てのような閉塞感をたたえている。
でも、そんな「東京」を、あくまで肯定しようとするから、このアルバムはすばらしい。木幡太郎はJAPANのインタヴューで
「みんな喜んでなんかスマホで『なう』だなんだのつぶやいているけど、自分の居場所が知らず知らずに丸見えだったり、ツイートした写真が原因で職を失ったりだとかっていう(笑)、文明化してるようで、人間の野蛮な面を浮き彫りにしてるっていうか。でもそういう部分も含めて愛さずにはいられない」
と言っていた。そんな「愛さずにはいられない」感覚、それは東京の街に対してだけでなく、音楽に対しても、ロックに対しても注がれている。
そして、そのヴィヴィッドな時代感覚と根本的なポジティヴィティが、もしかしたらアルバム以上に出るのが今のアベンズのライヴかもしれない。グサグサと心臓の奥を刺されるような鋭さと、その鋭い痛みすらも丸ごと光の向こうにぶん投げるようなパワー。アベンズ観終わって外に出ると、見慣れた都会の景色がちょっと美しく見えます。それにあのビートと電子音は、問答無用で楽しいし。
なんでいきなりこんなこと書いているかといえば、昨日まであった対バンツアー「Home Chic
Tour」、行けなかったからです。すごくよかったらしい。悔しい。でも夏前のワンマンツアーは観ました。最高だった……。
ツアーも終わり、次は大阪。11月16日、BIG CATの「山崎死闘編」です! 箱のサイズからして、迷っている暇はないと思います。