スマホもSNSもなかった1996年、25万人がオアシスと繋がった――キャリア絶頂期のライブが時空を超えて甦る『オアシス:ネブワース1996』、全世界での劇場公開迫る

スマホもSNSもなかった1996年、25万人がオアシスと繋がった――キャリア絶頂期のライブが時空を超えて甦る『オアシス:ネブワース1996』、全世界での劇場公開迫る - rockin'on 2021年10月号rockin'on 2021年10月号

オアシスのネブワースから25周年、結成30周年の節目に相応しい、まさに真打ちと呼ぶべきドキュメンタリーがいよいよ公開になる。『オアシス:ネブワース1996』と題された本作は『オアシス:スーパーソニック』に続くレトロスペクティブ作品であり、言うまでもなくあの伝説のネブワース・ライブの裏と表のすべてを詳らかにする歴史的映像作品だ。

1996年8月10日、11日の2日間にわたりのべ25万人を動員して繰り広げられたネブワース・ライブは、リアムのボーカルも、ノエルのギターも、全曲アンセムのセットリストも、そしてバンドの団結力も、すべてが最強だったあの夏のオアシスの、自他ともに認める絶頂期を象徴するものだ。

ネブワースではかつてレッド・ツェッペリンピンク・フロイドもプレイしているが、それでも「ネブワース=オアシス」と後世の私たちが認識しているのは、それが彼らの絶頂期の象徴であると同時にブリットポップの極点であり、さらに言えば90年代の英国の時代性に垂直に作用したイベントだったからだ。

『オアシス:ネブワース1996』ではバンドや関係者の回想に加えて、あの日・あの場所にいたファンの証言も数多く集められている。彼らはネブワースの体験を通してオアシスと自分を同一化し、あの熱狂が自分たちの人生にもたらしたものについて語っているが、それはオアシスのネブワースがライブの枠を超えた世代の得難い共通体験だったからに他ならない。

スマホがなければSNSもない、オアシスとオーディエンスの間に余計なものが一切介在しない空間に25万人が没頭し、声を張り上げたネブワースの有様は、今観るとあまりにもピュアで鮮烈だ。リアルなライブ体験から2年近く引き離されているパンデミック下の私たちにとっては、ほとんど神話のように映るかもしれない。

『オアシス:ネブワース1996』は9月23日からの世界同時劇場公開に加え、11月19日には同作のDVD/Blu-ray、及びライブ盤もリリースされる。まずは劇場の大画面で体感してほしいが、ドキュメンタリーではダイジェストなライブ本体をフルセットで収録したライブ盤も、もちろんマスト! オアシスとファンがネブワースで結んだ永遠の絆が生き生きと甦る同盤は、ライブの一期一会の本質を思い出させてくれるはずだ。 (粉川しの)



オアシスの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』10月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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