これぞブライアン!な音

ブライアン・アダムス『シャイン・ア・ライト』
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ALBUM
ブライアン・アダムス シャイン・ア・ライト

前作、「おそらく最もロックしたアルバム」とブライアンが自負した『ゲット・アップ』から約3年半。待望の14作目のオリジナル・アルバムがリリースされた。前作ではジェフ・リンによるプロデュースで新機軸の「ロック」を打ち出したブライアンだけに新作のサウンドがどのように変化するのか楽しみでもあった。今回のプロデューサーがボブ・ロックと聞いて、98年の『デイ・ライク・トゥデイ』を思い出す人も多いのではないだろうか。『デイ・ライク・トゥデイ』は多くの曲をボブ・ロックとブライアンの共同プロデュースで仕上げた作品で、当時、アルバム制作にボブを引き入れたのは、ブライアンがこれまでのサウンドから変化を求めてのことだったと思う。それが示すように『デイ・ライク・トゥデイ』は穏やかで自身の内面に向き合うかのような作品になり、その変容に驚いたものだった。滋味深くしみじみと良い作品ではあるものの、それはボブの持ち味が十分に発揮されていたとは言い難かった。それから20年を経て、再びのタッグ。その出来栄えはといえば、これぞブライアン・アダムス、まさにボブ・ロック仕事、と快哉を叫びたいほどのブライトな仕上がり。ブライアンの円熟味と初期に通ずるフレッシュでピュアなロック愛とが、今作では見事なバランスでサウンドに現れている。ブライアン本人が「ロックとポップとR&Bがほどよくブレンドされている」と言うように、今作は彼が40年にわたるキャリアの中で手に入れた「いいところ」をほどよく凝縮させたようなバラエティ感を感じさせる。エド・シーランとの共作“シャイン・ア・ライト”や、“ザッツ・ハウ・ストロング・アワ・ラヴ・イズ feat.ジェニファー・ロペス”など、フックとなる楽曲も非常に良質。 (杉浦美恵)



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ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』4月号に掲載中です。
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ブライアン・アダムス シャイン・ア・ライト - 『rockin'on』2019年4月号『rockin'on』2019年4月号
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