味わい深い佳曲を奏でて名を上げた彼らだが、佇まいが普通の人々なせいか、どうしても地味渋系の印象に落ち着きがちで、いわゆる「日本ではブレイクし難い良質バンド」になってしまうのかな……なんて考えたりもしていた。しかし、これだけ曲そのもののキラキラ感☆がアップしてくれば、何かの拍子に(例えばCMとかドラマの主題歌に起用されたりして)熱心な洋楽リスナー以外の一般層へ浸透することも充分に可能だろうという気がする。そんな、ジミー・イート・ワールドみたいな展開を期待したいところだ。オルタナ・カントリーの流れにいるバンドの中でも、彼らのカントリー風味の効かせ方は個人的に物凄くツボで、つまりは日本人好みなんじゃないかとも思う。もちろん全世界レベルでも、今後はR.E.M.のような感じで、さらに存在の大きさを増していくことになるのではないだろうか。
明らかにギアがひとつ上がった感触を持つ本作が、ライヴでは一体どんなモードで再現されることになるのか、2月に決定しているHostess Club Weekenderでの来日も心から楽しみだ。(鈴木喜之)