5月17日に開催されたビルボード音楽賞授賞式で計8部門受賞に輝いたテイラー・スウィフトだが、自身のフェミニズム哲学について明らかにしている。
マキシム誌の取材に応えたテイラーは自身のフェミニズムについての考え方がどう変化してきたかを語っていて、「女嫌いや女性蔑視は生来備わったものだ」とも説明している。
「正直言って、もっと若かった頃はフェミズムの正確な定義とかよくわかってなかったのね。わたしたちが生きているこの世界で成長していくに伴ってどれだけフェミニズムが重要なものなのかということをよくわかってなかったからで。だから、『うーん、フェミニズムって特に考えることじゃないし』って思ってたのは、わたしが子ども扱いされていた間のことで、それはわたし自身の存在もそんなに脅威をもたらすものではなかったからなのね。女として見られるようになるまでは、足を引っ張られるということを経験したことがなかったわけ。あるいは見出しをつけるにも男と女では違いがあって、話の伝わり方にもそういう違いがあって、世間一般の受け入れられ方にもそういう違いがあるということに、女になるまでは気がつかないものなの。たとえば、男の人が傷つきやすい繊細な感情を表現したとするとそれは勇気ある試みになるんだけど、女の人が傷つきやすくて繊細なところから表現をしてみると、それはやり過ぎか、泣き言ってことになるのよ。女性蔑視はもう生来備わってしまっているものなのね。だから、わたしにとってフェミニズムはムーヴメントとしては一番受け入れられる重要なものなの。基本的にはそれは平等と同義語だから」
なお、2012年にニュース・サイトのザ・デイリー・ビーストの取材でフェミニズムに訊かれた際、テイラーは次のように答えていた。
「わたしは特に男子対女子みたいな考え方はしないタイプなんだけど。っていうか、したことないし。わたしの親の育て方っていうのは、男子と同じように懸命に働くと、人生でもっと先まで行けるはずだっていうものだったから」
ただ、最近のザ・ガーディアン紙の取材ではその見方がかなり変わってきていることを次のように窺わせていた。
「10代だった頃には自分がフェミニストだと言うことは、女性と男性の権利が同等になって、機会も同等になるということを意味しているとはわかってなかったのね。わたしには、特にカルチャーや社会での捉え方というのは、フェミニズムはつまり、わたしは男が嫌いだという意味だと思えてたわけ。それが今、たくさんの女子がフェミニズム的な自覚に至っているとわたしは思ってて、それはこの言葉の本当の意味がわかったからだと思う」
なお、テイラーは『1989』の"ユー・アー・イン・ラヴ"がファン.のジャック・アントノフとその交際相手でテレビ・ドラマ『GIRLS/ガールズ』の主演と監督で知られているレナ・ダナムの二人の間柄に触発された曲だともエル誌に語っている。特に歌詞の「あなたはわたしの親友」というフレーズについて訊かれたところ、テイラーは次のように答えている。
「(恋愛相手が親友でもあるというのは)わたしは経験したことがないから、この曲はレナとジャックとのことでレナからわたしが聞いた話を曲にしてみたわけなの。だから、これは基本的にレナから聞いた話がもとになっているわけ。で、そういう関係ってわたしは、本当に聞いているだけで美しいなと思うんだけど、でも、すごく大変だろうなとも思うのね。それに場合によってはすごくありきたりなものにもなりかねないだろうし」
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