風が心地よいGARDEN STAGEに登場したのはドラム・ボーカルというユニークな編成が特徴のホイットニー。
軽く、柔らかい声と力の抜けたバンドの演奏、トランペットの甘い音色がつくるメロウでロマンチック、少し切ないメロディーがゆっくり、でも確実に観客の心を掴んでいく。
「日本に戻ってこられて嬉しいよ」とのMCを挟んでニール・ヤングのカバーも披露、彼らのルーツを感じられた。
そんなホイットニーも「これからベビメタ観るんだ、ほんとに好きでさ」と楽しみにしていた様子のBABYMETALが日も落ちかけたMARINE STAGEに登場、大音量・大迫力のメタルサウンドに完璧な歌声とダンス、映像が相まってド級のエンターテイメントが展開される。
SU-METALが「SUMMER SONIC！ついにここまで来ました！」と告げる場面が印象的であったが、海外フェスやツアーにも多数参加する彼女たちがその屈強なメタルサウンドとパフォーマンスで勝ち続けてきたことがよく分かる。
英語のインタールードから始まった“イジメ、ダメ、ゼッタイ”は観客の興奮もピークに。ヘドバン、フォックスサインが乱れ咲く様子は圧巻だった。初のMARINE STAGEで2ndヘッドライナーという大役を務めあげ、ステージが終わっても賞賛の拍手は鳴り止まなかった。
トリ前のSONIC STAGEを更に盛り上げたのはこちらもベテランのグッド・シャーロット。初っ端の“The Anthem”から観客は大合唱、バンドの一挙一動に歓声が上がり、“Girls & Boys”ではバンドも観客もみんながジャンプと、フェスならではの祝祭空間が作り上げられる。それも彼らの人懐っこいメロディと体が動かざるを得ないリズムがなせる技で、グッシャーが長く愛されている理由がよく分かるライブだった。
ニュー・ファウンド・グローリー、ペニーワイズ、グッド・シャーロットとパンクスにはたまらないアクトが続いたこの日のSONIC STAGEを締めくくったのはサム41。昨年5年ぶりの新作『13 Voices』をリリースした彼ら、最新モードも披露しつつ、彼らの代表曲やクイーン“We Will Rock You”のカバー、更にはリンキン・パーク“Faint”へのトリビュートも演奏。ラストの“Still Waiting”までブランクをものともせず、一気に駆け抜けていく。途中観客をステージに上げる一幕も印象的だった。
曲の幅広さに加え、磨きの掛かったパフォーマンスにフロアを埋めた観客からは惜しみない拍手と歓声が送られた。
デイヴ・グロールがが先頭を切って、走って登場したフー・ファイターズ、1曲目の“All My Life“からシャウトを披露、“Learn to Fly”、“The Pretender”と続くのだがその後も長い髪を振り乱しながらステージを走り回るなど終始とんでもなく温度が高い。
pic by Yoshika Horita「この曲は日本に初めてきたときのことを思い出す」という“Big Me”では観客による無数のライトが光る中静かに歌い上げる。そこから一気に新曲“Run”でギアを入れたのだが、最新アルバムが過去どの作品よりも爆音のアルバムであろうことが演奏から実感できる。
テイラーにけしかけられ、デイヴがドラム、テイラーがボーカルをとりクイーンの“Under Pressure”をカバー、さらに直前にコラボが決定したというリック・アストリーが登場し“Never Gonna Give You Up”で共演も。
「前回日本に来た時は、足を折ってて。今回は立てるからね。全然違うよ！」とデイヴは冗談めかすものの、ヒット曲ばかりの怒涛のセットを1時間半やってのけるのだから、6人体制となったバンドの凄まじい気迫を感じる。ラストの“Everlong”では曲中で花火があがり、素晴らしいフェスの締めくくりとなった。（山本華）
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