でんぱ組.inc、夢眠ねむ卒業公演が残したもの

でんぱ組.inc、夢眠ねむ卒業公演が残したもの
昨晩の日本武道館、素晴らしい夢眠ねむ卒業公演だった。
夢眠ねむがいる、でんぱ組.incとしての最強のライブをするという気迫に全員が溢れていた。
しかしそれだけではなく、夢眠ねむがいるかいないかを超えてでんぱ組.incがどんなアイドルであるかを改めて証明するライブでもあったことが素晴らしかった。
夢眠ねむは、自身のアイドル人生ラストの曲として“WWDBEST”を選んだ。
引用し始めると全歌詞になってしまいそうなので、ひとつだけ抜き出すと《会えなくなって初めて気付くような/思い出なんて 欲しくないんだ》という歌詞がある。
もしかしたらでんぱ組.incがでんぱ組.incである限り、体勢が整い切って順風満帆ということはないのかもしれない。
それでもガシャガシャ未来に向かって走っていくのが、でんぱ組.incだということがこの曲には詰まっている。

そして、アンコールでこの曲を歌ってステージを去ったあと、ダブルアンコールで夢眠ねむは、元でんぱ組.incの夢眠ねむとしてハッピを着てペンライトを持ってステージに登場した。
そして新たな6人としてのでんぱ組.incの初披露となる“Future Diver”をファンと共に彼女が見届けることでライブは締めくくられた。
夢眠ねむが卒業することは、グループにとって結成以来最大の出来事、はっきり言ってピンチかもしれない。
それでも未来に向かってガシャガシャ走るのが、でんぱ組.incであることを6人も夢眠ねむもよくわかっていた。
ラストシーンではなくて、スタートの合図でこの日のライブは終わらなければならなかったのだ。

6年前、僕はでんぱ組.incのライブを初めて見て、以下のように書いた。
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いろいろなタイプのアイドルが登場している現在だが、自分たちの「欠けている部分」「深く傷を負っている部分」「あまり人に言いたくない部分」に正面から向き合い、しかもそれをありのまま曝け出しながらステージに立つ力にしている彼女たちのようなアイドルはもちろんいない。
折れないタフな芯を持ち、人々の心を強く打つアイドルとしてでんぱ組.incは、これから特別な存在になっていくに違いない。
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その後、彼女たちのパフォーマンスは驚くほど強く逞しくなり、音楽性もより豊かになった。
しかしそれ以上に重要なのは、折れないタフな芯を持ち、人々の心を強く打つアイドルとしてのでんぱ組.incは、その6年前から全く変わっていないことで、だからこそ今もまだその先にでっかい未来が広がっているのだと思った。(古河晋)
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