レディオヘッド、ステージでの死傷事故の審判終了で声明を発表。「苛立たしいほど不十分なものに感じる」

2012年に発生したレディオヘッドのステージ崩壊事故についての審問が、現地時間4月10日に終了し、オンタリオ州の検死官が評決を公表、今後こういった事故を防止するための28の勧告が言い渡されたことが明らかになった。

勧告には、仮設ステージ建設をする際に新たな許認可手続を必要とするものや、コンサートの制作に関わる業者同士が、今後の事故を防ぐための更なる研究を進めるための団体の設立を提案したものだという。

事故は2012年6月、トロントのダウンスビュー・パークで開催予定だった公演の準備中に発生。照明装置の崩落に巻き込まれたバンドのドラム・テクニシャン、スコット・ジョンソンが死亡した。このステージ事故では他にも3人が負傷している。

2013年にはオンタリオ州労働省が、同州の労働安全衛生法に違反したとして興行業者のライブ・ネイションと足場施工会社のオプテックス・ステージング・アンド・サーヴィス、エンジニアのDomenic Cugliari氏を訴えたが、ライブ・ネイションは違法行為はなかったと否定。

そして2017年9月、この裁判は訴追猶予となり、何の罪も問われない状態のまま停止されることとなった。この報道を受けトム・ヨークは、この結果に「愕然としている」、「スコット・ジョンソンとその両親、そして僕たちのスタッフへの侮辱だ」とのコメントを発表していた。

SPIN」によると、長い月日をかけて続いた審問後、検死官の評決を受けてレディオヘッドは次のように声明を発表した。


この度、僕らの友人でありクルーであるスコット・ジョンソンの死に対する審問が終わりました。審問自体は建設的かつ徹底的に、公平に行われました。これにより、怠慢と不手際がスコットの死を招いたことが明らかにされました。

この事故死に対する評決が出されましたが、それはステージの崩壊は防止可能だったことが示されたことを考えると、苛立たしいほど不十分なものに感じます。陪審員はこのような事故の再発を防ぎ、観客やクルーの今後の安全を守るための正しく実質的な提言をしました。今後、これらの提言がしっかりと実行されるかどうかは我々全員にかかっています。

根気強く審問をやり通してくれた検視局と陪審員に感謝の意を表したいと思います。スコットのご両親であるケンとスー・ジョンソンに愛と尊敬の念を送ります。スコットは永遠に我々の心の中にいます。

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