クリープハイプのアルバムを聴いていると、不意に曲がり角の影から声をかけてくる異色の歌が現れる。クリープハイプのライブを見ているとふと場面が転換して異端の歌が現れる。長谷川カオナシの歌はこれまでクリープハイプにとっての隙間の異世界だった。帰り道、記憶に残ったことを1行書き留めるんです。
たとえば「今日の飲み会は人脈カードゲーム」とだけ書き留めて、そこから歌詞を膨らませていきます
そんなカオナシのオリジナルフルアルバムができあがった。隙間の異世界が集まったそれは名付けて『お面の向こうは伽藍堂』。まったくもって長谷川カオナシワールドだ。
アンティークなポップスや昭和歌謡など非ロック系の楽曲がメインで、バンドアレンジも室内楽的。今の音楽シーンの中にあっては異端の匂いに包まれた音世界になっている。そして歌詞は仮想的・寓話的なストーリーの中に心の欠片を閉じ込めたような、カオナシ独特のリテラリーな作風。隙間がもはや隙間ではなくて、ひとつの仮想の街のような空間を形作っている。
この空間にカオナシはどんな思いを込めたのだろう?
インタビュー=山崎洋一郎 撮影=小財美香子
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年1月号より抜粋)
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