「男子天才バカボン!」を観ました


男子は黙ってなさいよ! 7
「男子天才バカボン!」
原作:赤塚不二夫 作・演出:細川徹
美術:五月女ケイ子
出演:荒川良々 釈由美子 松尾スズキ 
   皆川猿時 坂田聡 今野浩喜(キングオブコメディ)
   小浜正寛(ボクデス)五月女ケイ子 大堀こういち
於:下北沢本多劇場

の、初日を、昨日観てきました。
大人計画所属の演出家・放送作家、細川徹による
「男子は黙ってなさいよ!」の公演。
細川徹・五月女ケイ子って、テレビブロス連載コンビですね。

「バカボン」を芝居にする、というむちゃな企画ですが、
おもしろかったです。徹底的にくだらなくて。

松尾さんがバカボンパパ。荒川良々がバカボン。
釈由美子がママ。皆川猿時がウナギイヌ。
と、まあ、「なんだそれは」なキャストなんですが、
観たら、みんな、合っていてびっくり。
合ってどうする。という気もしないでもないですが、
特に、松尾さんと荒川良々のはまりっぷりは、大笑いでした。

で。観て、個人的に、ちょっとびっくりしたこと。
この公演、15分くらいの短い話がいくつもある、という構成なんですね。
こういうのって、キャラや設定だけ原作から借りて、脚本とかは
作家が勝手に書くもんなんだろう、と思っていたんだけど、
で、実際に何本かはそうなんだろうと思うけど、
少なくとも1本、あったのです。
ちゃんと原作のマンガ通りのやつが。

なんでわかったのかというと、僕が中学だか高校だかの時に、
古本屋で買った(当時はまだ復刻とか全集とか出ていなくて、
ほぼ古本屋でしか手に入れられなかった)、
「天才バカボン」の、デラックス版単行本みたいなやつに、
入っていた話だったのだ。

最初は気づかずに観ていたんだけど、後半で、
「あったかいお湯にへえってもらおうじゃねえか」っていうセリフがあって、
「あれ? このセリフ、知ってる。憶えがある」って気づき、
そこから記憶がムクムクムクーッ! と蘇って、
「ああっ! 俺が持ってたあの本に載ってたやつだ!」と、
思い出したのでした。
ディティールとかは、今に合うようにアレンジしてあるけど、
大筋はそのまんまでした。
ちゃんと原作使うんですね。赤塚先生への愛と敬意をとても感じました。

にしても。子供の頃って、お金ないから、マンガも本も、
手に入れると何度も何度も読むじゃないですか。
って、今はどうかわからないけど、少なくとも、昭和の時代の、
地方在住の子供はそうでした。
だから、そんな細かいセリフまで憶えていたんであって、
大人になって読んだものだったら、気づかなかったと思う。

レコードもそうですよね。子供の頃に買ったもののほうが、
何度も何度も何度も聴いたせいで、細かいところまで憶えています。
たとえば、「雨あがりの夜空に」って、今、イベントとか
セッションとかでカバーされることが多いけど、中には、
細かい符割りとかフェイク部分とかを、オリジナルどおりに
歌わない人、いるじゃないですか。
あれ、聴いててすっごいイライラするんだけど、それも同じで、
子供の頃死ぬほど聴いて、細部まで憶えているせいだと思います。


「男子天才バカボン!」、公演は昨日7月23日から、8月1日まで、
東京・下北沢・本多劇場にて。
詳しくはこちら。http://dansiwa.com