浅草キッド 「キッドのもと」

浅草キッド 「キッドのもと」

twitterのいいところとして、どうしたって、ある部分で自分と
趣味嗜好の重なる人たちをフォローしているわけなので、
他の人にとってはいらないかもしれないけど、自分にとって
必要な情報が早く集まる、というの、ありますよね。
これ、まさにそういうふうにして、刊行を知った本です。


キッドのもと/浅草キッド
学研パブリッシング ¥1,470(税込)


意外にも、初の自伝。
といっても、浅草キッドには、何度もインタビューしたことあるし、
単行本を作ったこともある。
(小社刊「発掘」。詳しくはこちら 
http://ro69.jp/product/book/detail/25786

あと、自伝ではないけど、自伝的要素も含んだ
「お笑い男の正座1・2」というとんでもねえ大傑作が、
過去に2冊、文藝春秋から出てもいます。

なので、キッドのライフストーリー、だいたいのことは知ってるしなあ、
と思いながら、寝る前に読み始めたのですが。
止まらなくなり、そのまま一気読みしました。

僕が知らないことも、いっぱい書いてあった。
というのはいいんだけど、既に知っていることも、
まるで初めて知ることのように、目を通って脳に入ってきた。
つまり、「知らせ方」の説得力が、昔よりも、すさまじくビルドアップしている。
そういう本。

1980年代、木曜の深夜1時から3時、「ビートたけしのオールナイトニッポン」を
聴くために生きているガキどもが、日本中にいた。
そんなガキどもの代表が、この、水道橋博士と玉袋筋太郎のふたりです。
たけし軍団、いっぱいいるじゃん。では全然なく、このふたりである、
という事実は、ファンはみんな、言うまでもないこととして、知っている。

すべてを投げ捨てて、東京へ行き、ニッポン放送の前で土下座したい。
と、毎日毎夜悩んだものの、その勇気がなくて、
結局別の人生を選んでしまった我々にとっての、

俺だったかもしれない奴。

もうひとりの俺。

というか俺。

が、博士と玉さんなのです。
玉さんに至っては、彼が高校生の頃から、こっちは知っているわけだし
(「おっかけのあんちゃん」として有名だったのです。詳しくは本書を)。

つまり、我々の代表なのだから、
そういうつもりで仕事をしてくれなくては、困る、のではなくて、
そういうつもりで生きてくれなくては、困るのだ。
だから、みっともないことをされては困るし、この本の中においても、
「おいおいちょっと待てよ」とか「それ違うだろう」と
いうようなことを、書いたり、思ったり、行動されたりしては、困るのだ。

というところが、おそろしいことに、ふたりとも、ひとっつもなかった。
というのが、すごいなあ、と思う。
さすが俺だ。と思いました。なんだそれは。

ただ、正直、「俺では無理だったろうなあ。博士と玉さんだったから、今、
こうなっているんだなあ」ということも、よくわかってしまった、これを読んで。
悔しいが。


博士は自分で綴った文体、玉さんはしゃべったのをまとめた感じ
(でも実際は書いていると思う)、という、それぞれな感じも、
なんだかとてもいい。

あと、表紙。
バンドでも、ここぞ! って時は、いわゆるアーティスト写真じゃなくて、
ライブ写真を持ってくる人、いるでしょ。
Theピーズの2ndアルバム「マスカキザル」とか。
そういうものだと思います。
考えられる「キッドの写真を使った表紙」の中で、
ベストな選択ではないでしょうか。
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