「キラキラ目」の話
2011.05.31 22:30
去年の秋に、このRO69の「特集」のコーナーで
行った、フラワーカンパニーズの歴史を振り返るインタビューの
中で、グレートマエカワがこんなことを言っていた。
メジャー契約が切れて、事務所もなくなって、4人だけで
活動をし始めた頃の話です。
「地方で、ちっこい所で、 20人しかお客さんは来てなくても、
その子たちがすごい喜んでくれたりとかすると、
やっぱりめちゃくちゃうれしいわけじゃん。
『お客さんの目が輝いとった』みたいなこと、
みんなよく言うけど、あれ、ほんとそのとおりなの。
あれ見ちゃうと、『やっぱり俺、またここに来たいな』とかさ」
もっと読みたい方は、この記事に飛んでいただければ。
こちらです。 http://ro69.jp/feat/flowercompanyz201010_2?p=2#ftop
で。この「お客さんの目が輝いてる」っていう話を
するバンドマン、確かに多い。
過去、何人かから、同じような話をきいたことがあります、私。
「もう、目がキラキラしてんのよ!」みたいな。
それ、本当にうれしいらしいです、バンドマンは。
しかも、どうも、「人気ある! 人を魅了してる! 俺すげえ!」
みたいなうれしさ、ではないらしい。
もっとこう、ありがたいというか、感謝というか、
「このお客さんあっての自分たちだということがわかる」というか、
「絶対にこの人たちを裏切ってはいけないと思う」というか、
そんな、ある種敬虔な気持ちになるようなうれしさらしいです。
話をきくと。
ふうん。そういうものかあ。
とは思うものの、私はミュージシャンじゃないので、
実感としてはわからなかったのですが。
実はちょっと前に、「ああっ! これかあ!」という体験をしたのでした。
といっても、もちろん、私に向けられたものではありません。
星野源くんに向けられたものです。
前にもネタにしたけど(これ http://ro69.jp/blog/hyogo/48615 )、
去る3月2日に、タワーレコード渋谷にて、シングル「くだらないの中に」の
購入者対象の「楽しいおしゃべりとアコースティック・ミニ・ライブ」
みたいなインストア・イベントに、星野くんの話し相手として
駆り出されたのです、私。
で、超満員のタワーB1スペースで、ふたりでしゃべったんだけど、
私が何かきいて、それに星野くんが答えている間、
彼を見つめるお客さんたちを見ていて、
「ああっ、これかあ! グレートが言ってたキラキラ目!」
と、実感したのでした。
もう、みんな、ほんっとキラキラだった、目が。
インストア・イベントまで来るような熱心な星野くんのファン
というのは、やはり女の子が多いわけで、そのみなさんが
一斉にキラキラ目で彼を見つめているさまを、
逆サイドからじっくり見るというのは、なんというか、
ちょっと、すごい体験でした。
ほんと、チョコレートぐらいだったらドロドロに溶けそうな、
ラジコンぐらいだったら電池入れなくても動きそうな、
それくらいのエネルギーを感じました。あの多数のキラキラ目には。
これ、ほんと、ミュージシャンを動かす力だなあ。と、つくづく思った。
という話を、なんで今頃書いているのかというと、その時
「これ近いうちにブログネタにしよう」と思ったものの、
震災が起きてそんなこと書いてる場合じゃなくなり、
そのままにしていたんだけど、3日前、日比谷野音で雨に打たれながら
星野くんのライブを観ていて、「あ、あれ書いてなかった!」と思い出したのでした。
なので、写真はシングル「くだらないの中に」。
通常盤。というか、初回限定盤も、スリーブケースっていうんでしたっけ、
あの紙のハコみたいなやつから中身を出すと、これが表1のジャケになってます。