字幕の話

字幕の話

4,5日前の話ですが。

キャセイパシフィックの機内で映画『モテキ』が上映されていて、
観ていたら、野外フェスのシーンで、「まりんと旅人」
というセリフが、「marine&traveler」と訳されていた。
吹き出した。

というツイートを、あの映画の出演者のひとり=U-zhaanが
していて、それを大根仁監督がリツイートしてるのを読んで、
私も知りました。
確かに大笑いです、これ。
あの、最初のフェスのシーンですね。
「すみませーん、タイムテーブル見せてくださいー」って
幸世に寄ってきた(監督曰く)「ブスエロい」女の子が、
幸世の首から下がってるタイムテーブルを手にとって見ながら、
「あー、まりんと旅人ちょっとかぶってるなー」とか言うシーン。
言うまでもないが、まりんは砂原良徳、旅人は七尾旅人ね。

で。この翻訳の勘違いから、ふたつのことがわかります。
ひとつめは、この日本語→英語、の翻訳をしたのが、
日本の音楽シーンのことを、よく知らない人である、ということ。
もうひとつは、私、映画の字幕というものが、どのような方法で
付けられているのか、全然知らなかったし、考えたことも
なかったけど、「映画を観ながら翻訳していく」とかじゃなくて、
小説とかを訳すのと同じように、脚本を見ながら順々に訳して
いくんだなあ、ということです。
映画を観ながら翻訳、だったとしたら、訳した人も
「あれ?」ってなったのではないか、と、思うので。
この「まりんと旅人」というセリフ、「まりんとたびと」と
発語しているわけで、「まりんとたびびと」とは言っていないわけで、
なので、映画を観ながらだったら、
「え? 『たびと』って何? 『たびびと』ならわかるけど」
って、ひっかかったのではないか、と。


上は大根仁監督の著書、『モテ記』。映画『モテキ』の脚本も収録。
監督のtwitterによると、『モテ記2』も出るみたいですね。楽しみ。
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