東京事変ラスト・ライヴを観ながら考えたこと

東京事変ラスト・ライヴを観ながら考えたこと

本日の夕方、高橋智樹入魂の東京事変ラスト・ライヴ
@日本武道館のライヴレポを、アップしました。
で、最後なので、特集コーナーで、これまでRO69で
アップしてきたこのバンドのライヴレポを、
全部まとめて読みやすくしたページを作りました。
COUNTDOWN JAPAN出演時のクイックレポートも
入っています。まだの方、ぜひご覧いただければ幸いです。
こちら。http://ro69.jp/feat/tokyojihen201202


で。昨日、ライヴが終わってすぐ上げたブログで、私、
ライヴがおもしろすぎて、「今日が最後」ってことを忘れてて、
後半のMCの時に思い出して、「ああっ、あとちょっとしかない!」
と、あわてた。ということを、書きました。
これ。http://ro69.jp/blog/hyogo/64717

で、そこからは、楽しくもせつない思いで、終わるまで過ごした、
ということも書きましたが、そのせつなさと楽しさに包まれながら、
つまり、せつな楽しみながら、うだうだ考えたことです。


東京事変は、ある意味、バンドじゃない。
なんで。成り立ちがバンドじゃないから。
いや、バンドにもいろいろあるけど、いわゆる、我々が思うような、
オーソドックスなスタイルのバンドではない、ということです。

そもそも、椎名林檎という、その時点でめちゃめちゃビッグな
ソロ・アーティストと、亀田誠治という(椎名林檎の音楽的
パートナーという事実を別にしても)めちゃめちゃビッグな
プロデューサーがいて、そのふたりがまずいて、それ以外の
メンバーを集めて作ったバンドです。
という成り立ちが、たとえば「下北沢で活動を始めて」とか、
「地元のライヴハウスで集まって」とか、
「同じ学校の同級生で」とか、そういう感じで始まったバンド
とは、違うわけですね。

ではなんで、そういうことをしたのか。
本当に理想のバンドを、実際に作ろうとしたら、そういう、
「バンドじゃない」やり方をするしかなかったからです。

では、「本当に理想のバンド」とは何か。
これ、椎名林檎にきいたわけではなく、
あくまで私が考えるところのそれですが、


・メンバー全員、プレイヤーとして優れている。

・メンバー全員、キャラが立っている。

・やる気のないメンバーがいない。

・「自分にとって本当に重要なもの」として音楽と向き合って
いるか、というと、実はそうでもない。というメンバーが、いない。
あるいは、本人はそのつもりなんだけど、他のメンバーから見ると
「おまえそうでもねえよ」っていうメンバーが、いない。

・「このバンドが解散したら困ってしまう」というメンバーがいない。
つまり、「バンドに頼っている」「バンドによりかかっている」
メンバーが、いない。


というのが、理想のバンドだと思います。
「こういうの理想的だよね」くらいではありません。
究極的に理想のバンド、だと、私は思います。

で、そんなバンドは、普通、作るの、無理です。
同じ学校や地元のライヴハウスで、偶然そんなすごい
メンバーが、4人とか5人集まるなんてこと、
確率として、まず、あり得ないと思います。

だったら、どうするか。集めるしかないわけです。
集めるには、そういうメンバーを集められるような状況、
条件、環境、音楽の能力(これ一番大事)を、
自分に備えないといけないわけです。
じゃないと、「おもしろそう」と思ってもらえないし、
一緒にやってもらえないからです。

だから椎名林檎は、まず自分ひとりの状態で、
そういう、すごいメンバーを集めることができる
ステージに、自分を押し上げたのです。

嘘です。さすがにそんなことはないと思うし、
そのために最初はソロで始めた、というわけでもないと思う。
というか、最初は確か、バック・メンバーとして集めたわけだし。
でも、椎名林檎だから集めることができた、というのは、
間違いないとは思います。

で、それで東京事変は結成されたわけですが、ただし、
さっき挙げた条件の最後のやつ、
「『このバンドが解散したら困ってしまう』というメンバーがいない。
つまり、『バンドに頼っている』『バンドによりかかっている』
メンバーが、いない」というのが、ちょっと厄介です。

当然、それはその人が優れたミュージシャンだから、という
ことなんだけど、ゆえに、本人的には、そのバンドにずっと
いなくたっていいのです。困らないので。
現に、東京事変、昔、ふたり辞めてます。
そのうちのひとり=ヒイズミマサユ機は、元々メジャーで
忙しく活動しているパーマネントなバンド(PE'Zね)の
メンバーに入ってもらったわけなので、事情がちょっと異なるが、
やめたもうひとり=ヒラマミキオミッキーの、脱退後の
「全然困ってなさ」を見れば、それはもう、明らかだと思う。

で。この解散によって、椎名林檎は困るだろうか。亀田誠治は困るだろうか。
刄田綴色は困るだろうか。伊澤一葉は。浮雲は。
言うまでもありません。誰も困りません。
「さみしい」とか「このメンバーによる音楽がもう作れない」とか、
そういう意味での「困った」はあると思うけど、
音楽家としては、困らないでしょう。


つまり。本当に理想のバンドとは、長続きしないバンドである。
ということになります。
インターバルありつつだけど、7年半、アルバム5枚ミニアルバム1枚って、
むしろ、よくこれだけ続いたなあ、ということなのかもしれません。


って考えると、まあ、しょうがないのかなあ。
うーん。でもなあ。もったいないよなあ。
行き止まり感とか、「もうここまで感」とか、全然ないもんなあ、このライヴ。


というようなことを、うだうだ考えていたのでした。
でも、それをそのままうだうだ書いてもなあ、とは思ったのですが、
つい書いてしまいました。


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