黒田隼之介さん、やすらかに。

黒田さんの訃報を聞いた2月24日、僕は目の前が真っ暗になり、長い時間動くことができなかった。以来、嘘であって欲しい、とずっと思い続けている。
明日発売のJAPANには、sumika[camp session]という名義で4人全員でのインタビューが掲載されるのだが、そのページは訃報を聞く前日に校了していてリード文含めて一切修正はできなかった。だからこの場で気持ちを伝えたい。

取材の際、僕はいつも彼を隼ちゃんと呼んでいた。だから、ここでもそう書かせてください。
隼ちゃんの、ギターを胸の近くまで上げて弾く独特のスタイルはsumikaのライブの華だった。“ふっかつのじゅもん”のエモーショナルでかつ正確で、でもどこかコミカルなあのギターは隼ちゃんの発明だったと思っている。

僕は亡くなる5日前に名古屋・日本ガイシホールでのライブを観に行っていた。終演後に楽屋で会った際、「“ファンファーレ”の後のギターソロ、アンガス・ヤングだったね。」と言ったら一同笑ってくれた。隼ちゃんの衣裳が半ズボンで爆音だったから、というだけの他愛の無い会話だった。他愛のない会話だけで別れたのは、またすぐに会える、という前提からだったのだが、結果それが最後の会話になってしまった。
今、隼ちゃんが居なくなってしまった喪失感は途方もなく大きい。

淋しい。悔しい。信じられない。ずっと混乱している。それは自分含めたすべてのファンの人たちが同じ気持ちだろう。ご冥福をお祈りします。
(海津亮)
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