去年の9月にホール会場から始まった全21公演のロングツアー。今ツアー中最もキャパの大きい千秋楽のさいたまスーパーアリーナで、今この場を楽しくするということに留まらず、ライブが終わったあとも一人ひとりが人生に楽しさを見出せるように、自分という人間が存在していると実感できるように、それぞれの未来にまで音楽で寄り添おうとする最も距離感の近いライブが繰り広げられた。
リリースツアーとして銘打たれてはないものの、今年1月からのアリーナ編に突入してから演奏されるようになったアルバム『音楽』の新曲たちが、明らかにライブの重要な部分を担っていたのも印象的だった。
《気持ちの往来》──巨大なセンタービジョンで、“切望”の歌詞と背景に映し出されるメンバーの表情やフロアの景色がリンクする度に、21公演ひとつとして同じライブはないという当たり前のことに気づかされて、その日しかない気持ちの往来を繰り返した延長線上にフルキャパのたまアリ2daysを含む全公演ソールドアウトという到達点があるのだと、その軌跡に胸が熱くなった。
ライブも、ツアーも、始まれば終わってしまうけれど、SUPER BEAVERの音楽はいつも私たちのそばにあるのだということを強く実感させられるライブだった。
3月29日(金)発売の『ROCKIN'ON JAPAN』5月号には、このツアーの2月に行われた日本武道館公演のライブレポートと終演後インタビューの2本立てでお送りするスペシャル別冊が付録につきます! ツアーの思い出としてもぜひ手に取ってもらえたら嬉しいです!(有本早季)
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