しかもそれらは、極めて自然体な筆致で描かれている。
秦 基博というひとりのアーティストが他者と交わることでよりその繊細さや奥深さ、味わいが際立ち、また相互に作用し合い、その刹那的な結びつきが楽曲の青春性を一際香り立たせるのだろう。
日常も青春も赤も青も夢も現実も、聴く人の心のあり様でいかようにも変化する普遍的なテーマを根底に据えつつ、具体的なイメージがそのサウンドスケープからは浮かび上がってくる。
どれもがまるで自分ごとのように寄り添い、語りかけてくる。
その歌声で誰しもの琴線に容易く触れながら唯一無二のポップを鳴らす草野マサムネとの”ringo”は、《笑っちゃうくらい 高鳴ってる》という言葉に魔法をかけられたみたいに音楽の歓びに満ちているし、又吉直樹との異色のコラボ”ひとり言”はひどく内省的な独白なのに確かなぬくもりを宿している。
「『この人と一緒に創作したい』というのが、このアルバムの最初の動機」だったというが、このコラボアルバム『HATA EXPO -The Collaboration Album-』はどのように芽吹いて、そして花開いていったのか。シンガーソングライターとして、秦 基博のチャレンジングな試みが詰まりに詰まった今作について語ってくれたインタビューは、発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』1月号に掲載。
アルバムとあわせてぜひご覧ください。(橋本創)
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