ギターもドラムもキーボードもすべて体の延長にあるように演奏し尽くすマルチプレイヤーのツミキ。どれだけ音が束になってかかっても敵わないみきまりあの鋭い声。まさに《びかびかどくどくちくたくしくしくめらめらぐしゃぐしゃ》(“INAZMA”)としか言いようのない感情の解放を促すようなパフォーマンスを通して、気づけば自分もライブの一部になっていた。
それもそのはず、ノーメロのライブは「ドキュメンタリー」なのだ。ライブタイトルの「DOCUMENTARIUM」は「ドキュメンタリー」と「プラネタリウム」を掛け合わせた造語。“ミッドナイト・リフレクション”には《いつかプラネタリウムに映らない/ひかりを見つけて繋げたい/きみと》というフレーズがあるけれど、ライブでは観客である一人ひとりの《きみ》が放つひかりを受けた曲たちが星のように輝いていて、セットリストとして結ばれたときにアルバムの物語とは違う「新しい星座」として結ばれているような感覚になった。
今後も「DOCUMENTARIUM」というライブタイトルは折にふれて使っていくとのこと。きっと次にこのタイトルが使われたとき結ばれるひかりは今夜とはまったく違う輝きを放つんだろうなと思いながら、まずは10月の東名阪クアトロツアー「SUPERMOON」を楽しみに待ちたい。(畑雄介)