椿屋四重奏、ツアーファイナル@中野サンプラザ


強靭なバンド・アンサンブルを刻みつけたツアーファイナル、10年目の締めくくりにふさわしい夜だった。

東京では今年最後のライヴということもあり、あと野音のカラフルな印象もあり、忘年会的な和やかな雰囲気かと思いきや、曲が進むにつれどんどん演奏が過熱、「この音を食らえ!」とばかりの高いテンションに正直、驚いた。

5年前、インディ最後のライヴが無謀にもここ中野サンプラザで、その時は半分くらいしか埋まらなかった、次にやる時は絶対いっぱいにしてやると思っていた、中田は語っていた。
そして、今日は見事、満員御礼。その思いがぎゅっと音に凝縮されていた。
ラウドながら繊細な演奏で、一曲一曲を丁寧に届けていった。

椿屋にとって2010年は、ギタリスト安高の脱退というシリアスな状態から始まって、念願の昼ドラの主題歌やアルバムリリース、さらに『モリのアサガオ』のエンディング、過去最高のライヴ動員、と確かな手応えを掴んだ一年だった。サポートギタリスト手島によって、サウンドも立体的に進化した。

アンコールのラスト“君無しじゃいられない”を演奏する前に、中田は言った。「ツアーを始めた時は、この曲がふさわしくないと思ってたから、アンコールでもやらなかった。でもツアーを回っていく中でどんどん固まって、世界中のどこにもないバンドになって……」
そんな思いが溢れるように、曲中のメンバー紹介で中田と永田が抱きあう場面も。そしてハンドマイクを手に中田は花道に降りていき、オーディエンスにマイクを向けて歌わせていた。花道、むちゃくちゃ似合う!

年末は仙台でカウントダウン! 波乱万丈の一年の、そして10年間の集大成になるだろう。(井上)
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