東京カランコロン、ワンマ ん 2012!

東京カランコロン、ワンマ ん 2012!

メジャーデビュー後初のワンマンライヴ。
当然期待値は高く、渋谷クラブクアトロは完全ソールドアウト。
2時間のライヴではレアな曲もふんだんに、いつもと違う趣向も盛りだくさん。
それにしても今日のカランコロンはいつにもましてエモかった。
ライヴ終わってからいちろーにそう言ったら「そうでした?」って言われたけど、
間違いなくエモかった。

これ、すごく言い方が難しいのだが、東京カランコロンの音楽はいつも「ヘン」だ。
何かが足りないとか、どこかが飛び出しているとか、そういうのだらけだ。
“true!true!true!”でいちろーにマイケル・ジャクソンが憑依した瞬間とか、
せんせいとぜんちゃんが謎の茶番を繰り広げている瞬間とか、
ぜんちゃんがわざわざ仕込んできた小ネタを突っ込まれている瞬間とか、
ぜんちゃんが……。
『ゆらめき☆ロマンティック』はそれが一周してまっすぐになった、
みたいなところがあった作品だが、
こうして2時間通して観ると、やっぱりヘンなバンドなのだ。

でもそれがあくまで王道のポップミュージックの顔をして鳴っている、
というか「僕たちがやってるのは普遍的なポップミュージックですから」
と当たり前のように放り投げてくる感じがおもしろいのだ。
2時間、途中弾き語りパートなども挟みながら浴び続けていると、
いつの間にかそういう気にされている。
MCでいちろーは「J-POPの黄金時代を再びつくる」ということを宣言していたけど、
今日のカランコロンは、その点に対していつもよりもぐっと本気だった。
だからエモかったのだ。

ライヴ中にはかねてよ予告されていた『フユ盤』
(『ナツ盤』こと『ゆらめき☆ロマンティック』と対をなすミニアルバム)
についてのアナウンスも。
『ナツ盤』のリード曲“泣き虫ファイター”では
高橋久美子(ex.チャットモンチー)が詞を提供して話題になったが、
今回もリード曲は外部の作詞家を起用。
しかもそれがリリー・フランキーだという! すげえ!
このセンスが東京カランコロンの王道。
その「東京カランコロンの王道」がいつの間にか
「J-POPの王道」になっていたら……という物語には、やっぱり期待してしまう。
『フユ盤』に収録される新曲も披露されたけど、
その物語が着実に進行しつつあることを示すような楽曲だった。(小川)
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