いよいよこれほどのライヴをやるバンドになったのかーー
ということに尽きる。
いかにロックの筋肉を鍛え上げても、日本で音楽活動を行う限り、メロディは暗黙の共通認識のように、薄皮のような情緒性に覆われる。
そして、それが巨大なエモーションを生み出す大切なトリガーになっていく。
それは誰しもがアクセス可能なオープンソースのようなもので、「感動の温度」として、表現者も受け手も等しく持っているものだ。
しかもそれは何度どう使っても絶対に効力を失わないとてもいいものなのだ。
しかし、ONE OK ROCKはそのトリガーに頼ることがない。
にもかかわらずどんなフォーマットよりも強力で深く熱い感動を生み出して見せる。
すごすぎる。
何より素晴らしいのは、すべてのオーディエンスに対して開かれた感動を、その徹底的に磨き抜かれた強いサウンドとそのサウンドを生み出した意志のパワーによって、まるでスペシャルなアスリートのように一発で実現してしまうことだ。
どんな感動も価値はまったく同じだが、ONE OK ROCKがくれる感動ほど爽やかで熱く、ピュアに鼓舞してくれるものはない。
TakaのMCが本当に素晴らしかった。
『35xxxv』を作るためにアメリカに行って、4人で同じ方向を向くことができた、本当に大変だったけれどアルバムを作って、今やっと言えるようになったことがある、それはONE
OK ROCKが世界で一番カッコいいバンドだということだ。
そう堂々と語っていた。
ONE OK ROCKは本当にすごいバンドだ。
世界へ飛び出していくことがあまりに自然な、図抜けたパワーと意志を持ったバンドだ。
このバンドをリアルタイムで追いかけられることに大きな幸せを感じる。