[ALEXANDROS]の新作『Sleepless in Brooklyn』をめぐって、4人へのインタビューを終えて思ったこと

[ALEXANDROS]の新作『Sleepless in Brooklyn』をめぐって、4人へのインタビューを終えて思ったこと
傑作『EXIST!』から2年、[ALEXANDROS]7枚目のニューアルバムが完成した。

『Sleepless in Brooklyn』というタイトルの通り、クリエーションの多くがニューヨークで行われ、大きなトライアルの粋が集められる形で生まれたアルバムだ。
素晴らしい作品である。と同時に、前作『EXIST!』とも、これまでの[ALEXANDROS]のどのアルバムともはっきりと一線を画した作品になっている。

芳醇なリズムと横ノリのビートで幕を開ける“LAST MINUTE”、美しいギターアルペジオが繊細でセンチメンタルな激情を描き出す新たな代表曲“アルペジオ”。
あるいは、パーティの終わりの寂寞を綴るシンセ・ダンス・ナンバー(磯部はここで初めて、生ベースではなくシンセベースを弾いている)である“PARTY IS OVER”、彼らの十八番とも言える「ギターカッティング」ならぬ、「リリックカッティング」とも言うべきシャープな節回しが冴える“Fish Tacos Party”。
そして、川上洋平にとって「楽曲を作ることとは何か?」という命題を大胆な技法で最高水準のラブソングに昇華してみせた“Your Song”まで——。

彼らがNYに渡り、繰り返してきた無数の音楽的トライアルは輝度を増したピュアなるメロディを生み、「抜き」の美学は豊かなリズムとして最大の実りをもたらした。ギターアレンジもまた、どこまでも自由で、突き抜けるような眩しさと色彩を、今の[ALEXANDROS]に与えている。
究極的にシンプルで、だからこそしなやかなロックバンド像、そして、この「楽曲主義」的なスタイルこそ、この2年間、4人が追求してきた戦い方のひとつだったのだろう。
新たな躍動感とともに完成した、これこそが[ALEXANDROS]の新たなる王道である。

真正面からのファイティングポーズで野望を掲げ、疾走してきた4人が、飽くなき挑戦の果てで辿り着いたひとつの理想像。
この新たな視界の先で、僕たちはこれからどんな景色に出会うことができるのだろう。
これまでよりもひとつ、見晴らしのいい場所に立ち、かつてなくリラックスした空気をまとった4人に、それぞれ長く話を訊かせてもらった。

NYでのこと、これまでの挑戦と今の実り、あらためて思う理想のバンド像——。
4人は4人の中にある思いをすべて、語り明かしてくれた。

JAPAN最新号は、全48ページの徹底特集。
アルバムの発売に先駆けて、ぜひとも読んでほしいです。
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