Grizzly Bear/Final Fantasy@BAM

Grizzly Bear/Final Fantasy@BAM

デヴィッド・バーンの翌日
ファイナル・ファンタジー/グリズリー・ベアをBAMで観た。
SOUND OF BROOKLYNシリーズ。
今回は、
両バンドともブルックリン・フィルと共演という主旨。
おととしは、アントニーも同じ企画で出演し、
去年は忘れてしまったけど、スフィアン・スティーヴンスが
書き下ろした作品をブルックリン・フィルが演奏した企画は観た。
どちらも素晴らしかった。

ファイナル・ファンタジーは、
ステージ上で自分のサウンドだけをループさせて
幾重にもして、ひとりオーケストラをやるバンドだ。
だからこの企画はいつもの彼とは真逆なことをやる挑戦。
自分でもステージで言っていたが
コントロール・フリークの彼が、
「人を信頼する」し、「バイオリンを弾かず、上手くないピアノの弾く」という
自分の最も大事にしているものふたつを手放さなくてはいけない。
ホーン・セクションが高らかに鳴った曲がやはり良かったのだが
もしかしてその他ではバランスを見つけるのに四苦八苦していたかもしれない。

一方グリズリー・ベアは
4人で完璧に調和させてきたサウンドを
どう解体し、どの部分を強調して
バランスを崩していくのか、ということに挑戦だったような気がする。
ナショナルのメンバーも参加した。

全体の完成度としては
グリズリー・ベアのほうが断然安定度が高かったし
曲ごとにどのエモーションを積み重ねていくのか
というしっかりとした目標が見られたので
聴いているほうが感情移入し安かった。

どちらにしても、この企画は、インディ・バンドが
こんな場所で、四苦八苦し、実験をしている、
それをふかふかのイスに座って、目撃できる。
それ自体が面白く、そしてすごく贅沢なのだと思う。

会場はキャパ1800人。売り切れ。チケットは25ドル。
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