テイラー・ホーキンス追悼全50曲6時間が素晴らし過ぎた。いくつか映像を集めました。リアム・ギャラガー、AC/DC、クイーン、ポール・マッカートニーなどが出演。今年これを超えるロックイベントはないかも?!


テイラー・ホーキンスの追悼が、9月3日にロンドンのウェンブリー・アリーナで開催された。なんと全50曲6時間で、これが想像を遥に越えた最高のロックイベントだった。全編は終わった直後は見られたのだけど、もう消えてしまった。
https://youtu.be/LOnjLuBBkhU

いくつか見つかった映像を公開。

ー テイラーの16歳の息子さんがドラムで、”My Hero”。超豪華なイベントで最も泣けたシーン。

ー 追悼のオープニングにリアム・ギャラガーが、フーファイをバックバンドにオアシスの”Rock’n’Roll Star”と”Live Forever”で完璧な始まり。

ー 1日中泣くのをこられていたデイヴさんがとうとう泣いちゃった瞬間。”Time Like These”の時。この時のドラムはトラヴィス・バーカー

ー 豪華すぎるライブの中でもハイライトだった。ブライアン・ジョンソンとラーズ・ウルとフーファイで、AC/DC

ポール・マッカートニーが、”Oh! Darling”を初ライブパフォーマンス!
”Helter Skelter”

RUSHデイヴ・グロールが共演。

クイーン

Them Crooked Vultures

ヴァン・ヘイレン

ー デイヴ・グロールの娘さんのバイオレットも、マーク・ロンソンエイミー・ワインハウスの”Valerie”


恐らく、リアム・ギャラガーに始まり、ポール・マッカートニーに終わるんだろうなあとは思っていたけど、大まかに言えばそれであっているんだけど、もう内容が豪華すぎた。

何が感動したかというと、ライブの隅々まで、テイラーへの愛が溢れていたのは当然だが、これをフー・ファイターズが、またはデイヴ・グロールがこれまでに行ったライブの中でも、キャリア最高のものにしてやろういう意志が感じられたこと。そして、実際にそれを形にするために、しっかりと計画し、準備し、実践していたことだ。

だから、追悼としては、というよりも、今年行われたロックイベントの中でも最高と言えるものになっていたと思う。

これは、デイヴさんのテイラーへの敬意と自分たちのバンドがここまでやって来たことへのプライドと、そして、ロックを愛すること、ロックの力を見せてやるんだという意志、さらにロックキッズの夢が全て叶ったような瞬間でもあり、それがテイラーへの最高の追悼だ、という様々な思いが集まってのものだったと思う。単に感傷的で泣ける、友人達の集まり、というものに留まっていなかったのだ。一世一代の大仕事という感じだった。

いくつも感動的な場面はあって書ききれないけど、例えば、

ー リアム・ギャラガーがデイヴ・グロールのドラムで、”Rock’n’Roll Star” と”Live Forever”の1、2パンチでそれ以上ない幕開けの仕方。

ー ゼム・クルックド・ヴァルチャーズが2010年のフジロック出演以来のライブ。

ー 3時間超え時点くらいで披露されて、ライブがここで終わるんじゃないかと思ったくらい最高の演奏だったブライアン・ジョンソン、ラーズ・ウルリッヒ、フー・ファイターズによるAC/DC。

ー スチュワート・コープランド、フー・ファイターズによるポリス

ー ここから先は全部見どころだらけだが、RUSH、クイーン、ポール・マッカートニーなど。

ー しかし個人的にグッと来たのは、始まったばかりの頃に、デイヴ・シャペルが、テイラーの16歳の息子さんシェーンと会った時の話を披露していたこと。当時、12、3歳だった彼が、スケボーの靴を履いていたので、「スケボーするの?」と聞いたら、「腕を怪我したくないからやらない」と答えたそう。スケボーするかしないかだけの答えでいいのに、ずいぶん細かい答え方だなあと思ったら続けて、「お父さんみたいにいつかドラマーになりたいから」と言ったそう。それでシェーンが最後から2曲目に、”MY HERO”でドラムを叩いたから号泣。しかもその叩き方も最高だった。

ー また、いくつかいい話が披露されて、チャド・スミスが、テイラーは、よく楽器屋のギター・センターなどに行っては、パーカッションのセクションにたむろしているキッズに気軽に声をかけていたそう。それである時、ギター・センターの人が、テイラーが買っているわけじゃないのに、やたらテイラーのクレジットカードにチャージされているけど、誰か勝手に使っているのでは?と心配したら、パーカッションセクションの人が、テイラーはドラムを買いたいけど買えないキッズ達に誰にも言わないでドラムを買ってあげていた、ということなのだ(涙)。

ー またデイヴさんが何度か泣きそうになっている場面があった。よく我慢したなあと思ったけど、まず最初の挨拶で、テイラーに聞こえるように、「メイク・サム・ファッキング・ノイズ!」と言った時グッと来たのと、「リハーサルをしている時にみんなでいつもテイラーがこのライブをどう思ってくれるかな?言っていたんだ」と言った時も、デイヴさんが泣きそうになっていた。そして、最後に”Time Like These”の時にとうとう泣いてしまって、曲を少し止めていた(涙)。

この後フー・ファイターズは果たしてどうなるのだろう?ということも気になるが、このライブは、バンドはこれからも続いていくんだ、という力強い宣言のようにも見えた。

フーファイは、この後、今度はLAで、9月27日にもう一度追悼ライブを行う。これを超えるものは絶対にできないだろうというこの日の内容だったが、そのライブを観てくる予定です。ここでもレポートさせていただきます。今回見逃した人はぜひ次は見てください。

また、この追悼ライブは、チャリティでもあり、テイラーのグッズなどが日本からも買えるようになっている。

以下この日のセットリスト
https://www.setlist.fm/setlist/foo-fighters/2022/wembley-stadium-london-england-3b0a5bb.html

Liam Gallagher + Foo Fighters
1. Rock’n’Roll Star
2. Live Forever

Nile Rodgers + Chris Chaney + Omar Hakim
3. Let’s Dance with Josh Homme
4. Modern Love with Gaz Coombes

Chevy Metal
5. Psycho Killer
6. Children of the Revolution with Kesha

Justin Hawkins, Josh Freese, The Coattail Riders
7. Louise
8. Range Rover Bitch
9. It’s Over

Wolfgang Van Halen + Dave Grohl + Justin Hawkins + Josh Freese
10. On Fire
11. Hot For Teacher

Violet Grohl, Dave Grohl, Alain Johannes, Chris Chaney, Greg Kurstin, Jason Falkner
12. Last Goodbye
13 Grace

Supergrass
14. Richard III
15. Alright
16. Caught by the Fuzz

Them Crooked Vultures
17. Goodbye Hello Brick Road
18. Gunman
19. Long Slow Goodbye

Pretenders, Dave Grohl
20. Precious
21. Tattooed Love Boys
22. Brass in Pocket

James Gang
23. Walk Away
24. The Bomber: Closet Queen, Bolero,Cast Your Fate to the Wind
25. Funk #49

Violet Grohl, Mark Ronson, Chris Caney, Jason Falkner
26. Valerie

Brian Johnson, Lars Ulrich, Foo Fighters
27. Back in Black
28. Let There Be Rock

Stewart Copeland, Foo Fighters
29. Next to You
30. Every Little Thing She Does Is Magic

Geddy Lee, Alex Lifeson
31. 2112 Part I: Overture
32. Working Man
33. YYZ

Brian May, Roger Taylor, Rufus Taylor, Foo Fighters
34. We Will Rock You
35. I’m in Love With My Car
36. Under Pressure
37. Somebody to Love
38. Love of My Life

Foo Fighters
39. Times Like These
40. All My Life
41. The Pretenders with Travis Barker
42. Monkey Wrench with Travis Barker
43. Learn to Fly
44. These Days
45. Best of You
46. Oh! Darling with Paul McCartney
47. Helter Skelter with Paul McCartney
48. Aurora - テイラーが一番好きだったフーファイの曲
49. My Hero with Shane Hawkins(テイラーの息子さん)
50. Everlong



ロッキング・オン最新号は9/7発売です。ご購入は、お近くの書店または以下のリンク先より。【予約購入できます】

中村明美の「ニューヨーク通信」の最新記事