『アルゴ』がオスカーに王手!! しかし『リンカーン』もまだ強し

『アルゴ』がオスカーに王手!! しかし『リンカーン』もまだ強し

この週末に、オスカーを占う上で非常に重要なプロデューサー組合賞と俳優組合賞の発表がありました。

プロデューサー組合賞のほうは、過去5年間、ここでベスト・ピクチャーを受賞するとそのままオスカーのベスト・ピクチャーも獲っているのですが、今年受賞したのは『アルゴ』!!!でした。

さらに、俳優組合のほうは、オスカー投票者の中で最も割合を多く占めている人達なのですが、その俳優組合が選んだベスト・ピクチャーに当たる、ベスト・アンサンブル・キャストも『アルゴ』だったのです!

今年のベスト・ピクチャーは混戦が予想されているため、この両方を『アルゴ』が獲ったのは驚きではありましたが、これでオスカーのベスト・ピクチャーに『アルゴ』が王手をかけたといえます。とは言え、まだまだ大どんでん返しの可能性もあるし、とりわけ『リンカーン』が後ろにぴったりと付いていますが。

ちなみに、主演女優賞で、ジェシカ・チャステイン(『ゼロ・ダーク・サーティ』)を抑えてジェニファー・ローレンス(『世界にひとつのプレイブック』)が獲ったのも少し驚きでした。

実は、去年の超個人的ベスト3は、『ザ・マスター』、『ホーリー・モーターズ』、そして『世界にひとつのプレイブック』でした。

この『世界にひとつの〜』は、人間ドラマでありながら、コメディでもあり、ラブ・ストーリーでもあるという。ニュアンスを設定するのが非常に難しい作品を、監督と俳優達が完璧に映画にしてみせたのです。言ってることはちょっと痛いんだけど、でも笑えて、しかも泣けて、そして思いきり真実を突いている、という本当に素晴らしい作品です。新たなジャンルを開拓してしまったとすら言えるほどです。でもだからこそ、オスカーのような場所で認められるのは難しいと思ったのです。だから一番応援しているのですが。今回ジェニファー・ローレンスが獲って非常に嬉しいです。本当は、ブラッドリー・クーパーの演じている役のほうがもっと難しいのですが。でも、女優賞のほうが競争はより激しくなくて、男優賞は本当に混戦なので、仕方ないかとも思います。運ですよね……。

以下、1月27日俳優組合賞で賞を受賞したオスカーに王手の俳優達。

主演男優:ダニエル・デイ=ルイス『リンカーン』
主演女優:ジェニファー・ローレンス『世界にひとつの〜』
助演男優:トミー・リー・ジョーンズ『リンカーン』
助演女優:アン・ハサウェイ『レ・ミゼラブル』
アンサンブルキャスト:『アルゴ』

賞は各作品に分かれていますね。今年は良い作品が多かった証拠だと思いますが。

ダニエル・デイ=ルイスが、受賞した時に、真っ先に「ホワキン・フェニックスも本当はここにいるべき素晴らしい俳優だ」と言ったのにじーんとしました。これを受けてだと思いますが。
http://ro69.jp/blog/nakamura/77563

さらに、レオナルド・ディカプリオ(俳優を休業すると言った)や、リーアム・ニーソン(リンカーンを当初やる予定だった)について述べたのもダニエル・デイ=ルイスらしい非常に優しい面が出ていて感動しました。

『アルゴ』、まだ観てない方は今のうちに劇場でぜひ!
http://wwws.warnerbros.co.jp/argo/
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