グリーン・デイをKアリーナ横浜で目撃


グリーン・デイ歴代最強のセットリストがここに実現! キャパ約20,000人のKアリーナ横浜でソールドアウトを記録した横浜公演を観に行ってきた。

昨年、歴史的名盤『ドゥーキー』と『アメリカン・イディオット』2つのディケイドを記念し、収録曲を完全再現するという偉業を成し遂げたグリーン・デイ。そんな彼らが、2010年以来15年ぶりとなる単独来日公演で、その功績を継承する充実のセットリストを披露。世代を超えた観客を熱狂の渦に巻き込む、圧巻の一夜を創り上げた!

ライブの幕を開けたのは、最新アルバム『セーヴィアーズ』のオープニングトラック “ジ・アメリカン・ドリーム・イズ・キリング・ミー”。タイトルが示す通り、現代アメリカへの痛烈な批判を込めた歌詞とキャッチーなメロディが融合した、グリーン・デイらしさが凝縮された一曲。バンドの圧倒的なシナジーが炸裂し、まさにオープニングにふさわしいナンバーとなった。

続く2曲目に披露されたのは“ウェルカム・トゥ・パラダイス”。待望の『ドゥーキー』再現パートが幕を開け、会場の熱気は一気に最高潮へと向かう。そして前半戦のハイライトとなったのが、4曲目に披露された“バスケット・ケース”だ。バンドのシグネチャーソングとして広く知られるこの曲が始まると、会場全体が大合唱に包まれ、まさに一体感のピークを迎えた。

続いて、『ドゥーキー』パートから『アメリカン・イディオット』パートへと移る間のハーフブレイクとも言える中盤へ突入。このセクションでは、日本でも人気の高い『インソムニアック』や『21世紀のブレイクダウン』からアイコニックな楽曲が披露された。さらに、ビリー(・ジョー・アームストロング/G)による“リンダ・リンダ”の独唱や、マイク(・ダーント/B)の衣装チェンジといった、日本のファンを喜ばせる演出も織り交ぜられ、会場は大いに沸いた。

そしてクライマックスとでも言うべき『アメリカン・イディオット』再現パートに突入。ステージの背後にはアルバムジャケットを模したモニュメントが出現し、会場の熱気はピークに達した。このパートのハイライト、いや昨晩のハイライトとも言うべき“アメリカン・イディオット”、“ホリデイ”、“ブールヴァード・オブ・ブロークン・ドリームス”の怒涛の3曲のパフォーマンスは圧巻だった。20年経っても色褪せない名曲の数々を、全く衰えを感じさせない絶好調のグリーン・デイが生演奏する――その奇跡のような瞬間に胸が熱くなった。

15年ぶりの単独来日公演とは思えないほど、グリーン・デイと日本のファンの固い絆を実感できた一夜でした。正直、特筆すべき瞬間はまだまだありますが、とても書き尽くせないのでこのあたりで......(北川裕也)
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