冬休みにゆっくり観るべき映像作品1:ミューズ『ライヴ・アット・ローマ・オリ ンピック・スタジアム』


場合によっては、すでに冬休み休暇に入っている人たちもいると思うけど、夏と違って、冬は家でノンビリ過ごしたいもん。
自分もストーンズの来日に向けて、とりあえず全アルバムを聴き尽くすことや、撮り貯めしているアメドラ『ボードウォーク・エンパイア』や『ハウス・オブ・カーズ』を一気観することなどを予定している。

そんな中、家でノンビリ観て欲しい映像作品を2本。

まずは、以前も紹介したミューズ『ライヴ・アット・ローマ・オリンピック・スタジアム』。
その破格なスケールに関しては、もう既にお伝え済みだが、とにかく、この作品の肝は、ライヴの臨場感を可能な限り捉えて、それを見せるという通常のライヴ作品とコンセプトそのものがまるで異なっていること。
なにしろ、ライヴ自体がこの作品を作るために行われているし、緻密に演出されているのだ。
たとえばマシューはカメラ目線どころか、露骨にカメラに向かってパフォーマンスするし、役者がステージに出てきては、バンドを巻き込んで演技をしたりもする。
とはいえ、別にPVのような口パク演奏でなければ、観客もエキストラとかではなく、そんな演出されたセットが、れっきとしたミューズのライヴとして成り立っているから面白い。
その演出、つまり作り上げられた世界観こそが、まさにミューズのライヴのリアルとしてプレゼンテーションされているのだ。
そして、それは予想通り、とことん過剰で壮大なんだけど、でもまったく違和感なく、ミューズのバンドとしてのスケール感にぴったしフィットしているからすごい。

もちろん、脂の乗り切ったバンドの演奏も最高だし、大合唱するスペインの観客も素晴らしい。
あと、マシューがやたらとイタリア語が上手い!という発見も。


今週土曜日(28日)発売のロッキング・オン2月号に掲載されているVIR対談で、粉川しのと思い存分にこの作品について語っているので、ぜひ、読んで欲しいが、そこで彼女と話していたのは、これまでのミューズは笑えたけど、この作品のその異常なスケールのリアルさには、もう笑えなくなった、ということなんだけど、まさにミューズがいかにワン・アンド・オンリー、というか、極めて”変”なバンドだってことがよくわかる作品だと思う。

そういえば、前にもディスクレビューを書いていた。
http://ro69.jp/disc/detail/93178
いや、楽しいっす、この作品。(内田亮)
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