ソウル・キャンプでMs.Lauryn Hillを観る

彼女がプロデュースしたニーナ・シモンのトリュビュート・アルバムが素晴らしかったので、絶対にいいライブになると思っていたが、期待以上、想像以上のとんでもないものだった。
2007年に幕張で観たステージは、内に向かう暗黒が支配したパフォーマンスで、観る側が不安になるくらいの狂気がほとばしり出ていた。
今回も狂気は感じられたが、外に向かった明るい狂気だった。つまりアーティストとしては、とてもいい状態といえる。
誰が観ても、このステージではとんでもないことが起きている、と分かるエネルギーが放出されていた。
「ミスエデュケーション」は無論のこと、ニーナ・シモンのトリュビュート・アルバムからも、ボブ・マーレーのメドレーも、そして「キリング・ミー・ソフトリー」も、2時間たっぷりと聞かせてくれた。
ファンとしては、何とも感慨深いステージだったと思う。ローリン・ヒルが、最高の状態で帰って来てくれたのだから。
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