エミネム終わる

エミネム終わる

再生以降、エミネムのライブは変わるという予感はあったが、想像以上だった。
コンサートの冒頭、日本語のメッセージとして、このライブが一時期引退状態にあり、全ての事に意欲を失っていた自分が、再びステージに戻って来た再生をテーマとしているものである事が宣言される。
再生以前と以後では、彼を走らせる燃料が変わったのだ。
以前も以後も基本が愛である事は同じだが、その愛が怒りや憎しみという形になるか、理解や肯定という形になるか、それは大きな違いだ。
もはやエミネムは以前の怒りや憎しみだけでは走れない。だから一時引退したのであり、新しい燃料を手に入れたから再生したのである。
アルバムには再生以降も、怒りや憎しみや否定を表現した曲もある。ただ全体に流れる基本的なメッセージは理解や肯定を目指すものだ。
それはライブに於いて、よりはっきりしたものになるだろう、そう思っていた。
冒頭のそのメッセージからラストまで、まるで大きな物語を体験するようなドラマチックなステージは、まさに切ない程のエミネムの何かを肯定したいという強い意志に貫かれていた。
昨日のビーチボーイズに続きポップ・ミュージックの理想を体験できた感動でブログ用の写真を撮り忘れてしまい、これは帰りのレインボーブリッジ。
しかし明日はグリーン・デイとシガー・ロス。この数日の濃厚な体験は自分のキャパを超えてしまいそうだ。
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