ルー・リード亡くなる

ルー・リード亡くなる

「メタル・マシーン・ミュージック」についてのインタビューだったと思うのだけど、うまく話しが噛み合わず、ぎごちない雰囲気のまま取材を終えたことがあった。
翌日、レコード会社の人が海苔を僕のところに持って来た。ルー・リードが昨日のジャーナリストに渡してくれと頼んだらしい。
昨日はうまく話せなかったが、自分の言いたかったのは、このアルバムは日本の海苔のようなものだ、ということだった。だからこの海苔を食べてくれると嬉しいというのが、彼のメッセージだった。
何だかキツネに摘まれた気分で、とても戸惑った。ひょっとして馬鹿にされているのかとも思ったが、レコード会社の人が言うにはルー・リードはうまく話せなかったことをとても気にしていて、あのジャーナリストならこの海苔を渡せば分かるはずだと真剣に語っていたらしい。
残念ながら僕は彼の期待には応えられず、今だに海苔の意味を理解できないでいる。
本当に優しい人なのだと思った。コミュニケーションが完全でないことに、とても欠落感を覚え、それを何とか回復したいと願う人なのだと思った。
僕は彼が歌う女性の歌が好きだ。言うまでもなく彼はゲイである。だから彼の歌に登場する女性は性的な欲望の対象ではない。また女性が同性の目線で歌うものとも違う。
彼の歌う女性の歌は独特の優しさと悲しみを感じさせる。
今週の僕の番組では、一番好きなアルバム「ベルリン」から曲をかけたいと思う。
ご冥福をお祈りします。
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