元バウハウスだよ? レジェンド登場だよ? と心の中で叫んでみても、ビーディ・アイとアヴリルと同時刻というタイムテーブルからくる動員面の不利はいかんともしがたい。しかしそれでも、ピーター・マーフィーの放つ強靭な歌は時系列も国境も無効化する迫力に満ちているし、最新アルバム『Ninth』の曲から凛とした野性がほとばしってくるのは無性に嬉しかった。年齢を重ねた今、ピーターの低音ヴォーカルのヴァイブはにこやかな呪術師のそれのようだ。
と書いてる間に床が揺れた気がしたが……マウンテンステージのアヴリルのせいかな?(高橋智樹)