サマーソニックでケミカル・ブラザーズを観た

エレクトロニックなダンス・ミュージックが消費されることに強く抵抗するようなライブ。
そしてその抵抗は正しいと思えるライブだった。
フックの大盤振る舞いをせず、小出しにしながら踊る客に適度なフラストレーションと戸惑いを与え、
あくまでも曲の必然としてのクライマックスやテンションをしっかりと置いていく。

ダンス・ミュージックはこういうものなんだ、快楽の金太郎飴をただ舐めさせ続けるだけの手段じゃないんだ、
そういう主張を感じさせるライブだった。

確かにケミカルのサウンドやビートは、型としては古いのかもしれない。
ステージには、そういう自虐ネタなのか、レトロな巨大なロボットが2体登場した。
だが、その古い型で、今やるべきことを鮮烈にやってみせた。

ダンス・ミュージックとは、いや音楽とはそういうものだ。

あ、そういえばエドが今回いないことをいつの間にかすっかり忘れていた。
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