サポートの中畑大樹とヒラマミキオを加えた4人編成のplentyは、
5月のイベント出演を除いてはこれが最後になると江沼はアナウンスしていた。
だから、この日のライブはツアー・ファイナルというだけでなく、卒業式のようなせつなさに満ちていた。
いつもは淡々とドライにライブを進行していく江沼が、ヒラマミキオのワウペダルをいじったり、やたらと中畑に話に行ったり、異様に楽しそうにはしゃいでいる。
それが彼なりのせつなさの表れなのだ。
天の邪鬼なやつなのである。

演奏は素晴らしかった。
この4人での演奏は、破格の才能を持つ江沼が作った破格の楽曲をこれ以上なく見事に表現している。
そこから卒業して、新しいドラマーが加わっての次のplentyがどんなバンドになるのか、
楽しみにして見守っていきたい。