才気とロマンは時空を越える

BIGMAMA『Roclassick2』
2014年04月16日発売
ALBUM
BIGMAMA Roclassick2
BIGMAMAの『Roclassick』という作品が何より痛快だったのは、誰でも知っているクラシックの名曲群の「再現」でもなく、クラシック基調のプログレ・バンドの手癖などでもなく、自らのエモーションを最大限に炸裂させるために必要不可欠な肉体の一部として、ヴィヴァルディ“春”やドヴォルザーク“新世界より”を完全に自らの音世界に超合金合体させてみせた点だ。そして、3年半ぶりの続編としてリリースされた『Roclassick2』では、そのアイデアはますます自由闊達に咲き誇り、サウンドのフォルムはさらに強靭に、麗しく研ぎ澄まされている。ブラームス“ハンガリー舞曲”が壮絶なエッジ感とともに響く“Animanimus”。チャイコフスキー“白鳥の湖”のヴァイオリンの調べが轟々たる硬質ビートと鮮烈なコントラストを描き出す“Swan Song”。《子供でいたいの 永遠に》というフレーズとともにエルガー“威風堂々”が快活なパワー・ポップとして弾み回る“bambino bambina”……時空をも越えた才気とロマンで「今」を照らし出す、BIGMAMAにしか作り得ないロックの形が、今作に凝縮されている。(高橋智樹) 
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