いろいろ驚きのポイントが多すぎて何を書けば良いのやらだが、あなたも一曲目“キャッチミー岡っ引きさん feat. もち正宗”の、まるでナイアガラ・レーベルが携わっているかのような上質シティ・ポップぶりに触れて一緒に途方に暮れて欲しい。ちなみに「もち正宗」はELTの持田香織です。これまで通りのレキシ流ファンキー・ディスコを期待していた人は、少々肩透かしを食うかも知れない。しかし敢えて断言しよう。個人的にはレキシ史上最高の愛聴盤となることが既に確約されてしまったアルバムである。

今回も古参・新参の豪華ゲストが楽曲群を賑わす（最も笑ったレキシネームは「旗本ひろし」＝秦 基博）一方で、最大のポイントは楽曲のヴァリエーションとクオリティを同時に突き詰めたレキシ本体にある。タイトルだけでは意味不明だが歌詞で抱腹絶倒の“salt & stone”や、前回ツアーでも披露された哀愁全開の“僕の印籠知りませんか？”。そして、やはりこの黄金コンビは恐ろしい、“憲法セブンティーン feat. シャカッチ”。なんちゃってポーズのまま世相をぶった斬る、まるでRCサクセションだ。（小池宏和）