しなやかなる唯我独尊

HAPPY『HELLO』
2014年08月06日発売
ALBUM
HAPPY HELLO
これは海外の新人バンドたちにここ最近見られる傾向なのだけれど、「脈絡のない才能」というものが顕著に出現し始めている。年齢や経験値に縛られず、時代性やルーツのお約束も我関せず、しかも「自分たちはこうなりたい」というヴィジョンにバンドを近づけていくというよりも、「自分たちがやるなら多分こうなる」という不遜な無自覚で自由に走れてしまう、そういう才能だ。既に全てが鳴ってしまったニヒリズムの中で自己を模索したのが2000年代だったとしたら、全てを知った上で自分は自分として当然存在しうるしなやかさ。それが2010年代的な優れた才能なのだ。そういう才能と同種のものをHAPPYのデビュー・アルバムを聴くと感じる。サイケデリック、アシッド・フォーク、カントリー、ガレージ、シューゲイザーと、曲毎にくるくる表情を変えていく彼らの足取りは脈絡なく、同時に迷いなく曲毎の彼らの正義を鳴らしている。でもそんな彼らだからこそ、「こうなりたい」という欲が芽生えた時に大化けしそうな予感もある。“Pity Xmas”のような伸び代だらけの曲を聴くと特にそう感じる。(粉川しの)
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