新しいポップミュージックの形

cero『Orphans/夜去』
2014年12月17日発売
SINGLE
cero Orphans/夜去
ceroの3人は、年代も国境もジャンルも軽々と飛び越えて、あらゆる音楽をそのまま丸ごと飲み込んでしまうまっさらな感性とピュアな探究心で音楽を鳴らしている。約1年ぶりの新譜となる今作では、ホーンセクションのふくよかな響きと力強いビートが絡み合い、そこに高城晶平(Vo)のファルセットやシャウトを自在に使い分け、肉体的になった歌が乗る。小沢健二『Eclectic』の“1つの魔法(終わりのない愛を与え)”のカヴァーも含め、ブラックミュージックの要素がぐんと強くなりながらも、日本語で描かれる光景はより鮮明になっている。橋本翼(G)が初めてceroに書き下ろし、高城が詞を付けたという“Orphans”で紡がれるのは、架空の都市で繰り広げられるフィクションと、その中にひっかき傷みたいにさり気なく残る時代との接点だ。和も洋も、現実もフィクションも、異質であるはずのものが当たり前に共存するceroの音楽には、この時代、この場所で、雑多な生活を生きる私たちのリアリティが鳴っている。だから私はこの音楽を、今いちばん正しいポップミュージックとして信頼することができるのだ。(若田悠希)
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