「引き算」=ストレート勝負

THREE LIGHTS DOWN KINGS『NEVER SAY NEVER』
2015年02月11日発売
SINGLE
THREE LIGHTS DOWN KINGS NEVER SAY NEVER
ラウド、エレクトロ、ダンス、スクリーモなど、あらゆるジャンルを蓄え、「全部乗せ」して昇華するのがTHREE LIGHTS DOWN KINGS(通称サンエル)流の「ロック」なのだと思う。そのガラパゴス感を成立させるセンスと能力は彼らの強力な武器で、圧倒的な情報量を乗りこなすという極めて現代的な「楽しさ」が、サンエルの音楽の魅力だ。

と、思って本作を聴くと、あれ?と思う人もいるかもしれない。まず飛び込んでくるのはとびきりポップなシンセのフレーズ。はっきりと歌詞が伝わる陽性のボーカルライン。ラウドやスクリーモの要素は、底の部分を支えているだけと言ってもいい。つまりどういうことかというと、今作で彼らは「引き算」をしたのである。入り口としての情報をたくさん用意するのではなく、情報量を下支えとして「的確に要所を見せる」ことで、全ての人に向けた大きな扉を開いてみせたのだ。メジャーデビューから1年強。1stシングル&初のアニメタイアップという大きなチャンスを前に、多様な武器を持つ彼らが挑んだあえての「引き算」勝負。私は全力で支持したい。(安田季那子)
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