柔らかに爪弾かれるアコギのアルペジオと、ひときわセンチメンタルな響きを帯びたTakaのウィスパーヴォイスから、やがて《Oh Oh》のコーラスが超弩級のスケール感で吹き抜ける悠久のロックの地平へ――。“Cry Out”“Wherever you are”に続き、docomo・iPhone 6sのCMシリーズ「感情のすべて」の第3弾楽曲としてオンエアされているONE OK ROCKの新曲“Always coming back”。《背を向ければ向ける程に愛しく/向き合えば合うほど離れていきそうで/形のない不確かなモノを探す》と聴く者の感情の揺らぎにヴィヴィッドに迫ってくる詞世界。そして、静と動が壮大に寄せては返すラウドバラード的なサウンドスケープ……CM経由で全国津々浦々まで抑え難い感激を呼び起こしているこの楽曲の原動力は取りも直さず、日本の片隅に生きる僕らひとりひとりのベッドルームの憂鬱にも、スタジアムクラスの熱狂の真っ只中にも、さらに優しく強く寄り添っていこうとするONE OK ROCKの「今」の意志と普遍性そのものだ。鳴った場所を世界のど真ん中に変えるだけのエネルギーを備えた、破格の名曲。(高橋智樹)