主演：星野源で主題歌：星野源、というドラマか映画がそろそろ実現するんじゃないかと思っていたが、ついにそのタイミングが来たということ。当然、そのドラマに沿った歌でなければならないということ。あらゆる意味で大成功を収めたアルバム『YELLOW DANCER』の次の一手となる作品であるということ。と列挙していくと、ハードルがとても高いことがわかるが、それらをすべてクリアし、かつ期待のはるか上を行くニューシングルだ、これ。ブラックミュージック好き／ダンスミュージック好きとしてとてもうれしい仕上がりだし、和物好きとしてのツボもびしっと突いてくるし、歌詞の面やアレンジの面でニヤッとさせられるような遊びが随所に入っているし、恒例の宅録曲がフォークよりもソウル方向に走っているのも、とてもいいし。贅沢極まりない。何よりもすばらしいのは、4曲とも、これまでで最も、今のリアルな生活に根ざした上でポジティブな歌になっていながら、そうなればなるほど切なさも怒濤のようにアップしている点。4曲でアルバム1枚くらいの満足度、本当に。（兵庫慎司）