12年11月に始まった50周年記念公演以降断続的に続いたツアーの総仕上げとなったキューバのハヴァナ公演のライヴ作品。フリー・コンサートだったこの日は、120万人以上もの観客が押し寄せるという記念碑的なライヴとなり、その興奮とテンションが画面から飛び出してくるような、ファンなら絶対に観なきゃならない一枚だ。50周年ツアーでは、ストーンズもばっちり用意してきたし、ところどころで歴史的なライヴ映像を披露してくれたし、日本公演も本当に楽しめるものになった。しかし、これはこれで格別で、やっぱりメンバー自身にとってもハヴァナでのライヴというのは、記念であり、ご褒美でもあるというのが本当によくわかる作品。特に“ミッドナイト・ランブラー”があまりに攻撃的な演奏で素晴らしいのだが、この間奏中のミック・ジャガーの飛び上がり方に、「マジで73歳？」とシュールな気分になる。消費社会とマス・メディアの完成とともに生まれたロックとストーンズは、やはり確実に年齢と老いの概念を変えたのだ。なお南米ツアーだけ離脱したリサ・フィッシャーの代役を務めたサーシャ・アレンが超かわいい!!　 惚れた。（高見展）