ユニバーサル・デザイン

リンキン・パーク『ロード・トゥ・レヴォリューション:ライヴ・アット・ミルトン・キーンズ』
2008年12月17日発売
CD+DVD
リンキン・パーク ロード・トゥ・レヴォリューション:ライヴ・アット・ミルトン・キーンズ
2002年から続くオムニバス・コンサート・シリーズ、『PROJEKT REVOLUTION』の英国バージョンであり、今年6月に行われたリンキンのライブを収録したのが本DVDである。会場となったミルトン・キーンズ・ボウルはフレディ時代のクイーンの伝説のライブでも知られる会場で、キャパは5万。英国有数の規模を誇る野外会場である。

言うまでもなく、現英国で5万の会場を埋められるUSバンドは殆ど存在しない。ベテラン&再結成組以外ならレッチリかフーファイ、そしてリンキンぐらいではないだろうか。90年代初頭や90年代末期、所謂「UKご当地ロックが盛り下がっていた時代」にグランジやラウド・ロックが席巻したような追い風状況は、今の英国には当てはまらないからだ。しかし本作を観て何よりも強く感じるのは、リンキンは国民性や時代性はもちろんのこと、それこそ音楽性においても既に何一つそこにボーダーが存在しない特殊なバンドになっているということだ。ラップでメタルでラウドでアニメでヒップホップ、かつてリンキンの音楽はいくつものカテゴライズによって批評され、細分化され、矮小化されてきた。そんな過去が嘘のように、彼らの音楽が5万人の前で大文字のロックとして、最新最大公約数のロックとして根を下ろしている様がここには映し出されている。チェスターは100回「サンキュー」を繰り返し、マイク・シノダは「状況を上手く飲み込めない」みたいな顔で彼方のオーディエンスを見つめている。状況は彼らの自意識を追い越している。(粉川しの)
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