時代を追い抜いてゆけ

フレデリック『TOGENKYO』

2017年10月18日発売

フレデリック TOGENKYO
3年前に初めてフレデリックのミニアルバム『うちゅうにむちゅう』を聴いた時に、なんて独自の路線をゆくバンドだろうと思った。80年代のポップミュージックへの憧れを込めたファンキーなリズムに、予測不能のメロディと特徴的な声をのせて踊らせる。ゆえに一度ハマると抜け出せない中毒性。そういうバンドのアイデンティティは今作『TOGENKYO』に至ってもまったく変わらないのに、いまやその独自路線がすべて「フレデリックらしい」という言葉で語られるほどの状況を、彼らは築き上げてきた。だからこそ、いまのフレデリックはメジャーデビュー以来最も自然体だ。それは前作シングル『かなしいうれしい』でも感じたバンドのモードだったが、その空気感を保ちながら、より多角的に、スリリングに攻めた今回のミニアルバム。レイドバックした楽曲の全編に悲しみを湛えながら、それでも踊らせる。聴き応えとしてはシーンのトレンドに非常に近いものもあるが、それは時代にフレデリックが寄せたのではなく、有り体に言えば、ようやく時代がフレデリックに追いついたというのが正確なのだろう。(秦理絵)

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