未完の輝き

トランポリン『スウォンジー・トゥ・ホーンジー』
発売中
トランポリン スウォンジー・トゥ・ホーンジー
「Trampolene」と書いて「トランポリン(Trampoline)」と読む。ジュリアン・コープの曲にちなんで名付けられたバンド名が敢えてのスペルミスなのは、識字障害と闘ってきたジャック(Vo、G)がそこにメッセージを込めたからだという。再結成リバティーンズや同郷ウェールズのキャットフィッシュ・アンド・ザ・ボトルメンらの前座を務め、着実にインディ・ファンに名を広めてきた彼らの、これがデビュー・アルバムとなる。

メロディアスでリリカルなギター・ロックという王道UKの枠組みは死守しながらも、情熱的というか熱意が先走って空中分解しそうなガレージ・パンクから、ストーンズとストライプスを繋ぐR&B、はたまたツェッペリンばりのヘヴィー・リフ・チューンまでありと、可能性の幅を押し広げていこうとする意欲作。線の細さは否めないのだが、その細さが逆に、ぽろぽろと詩情が不器用に溢れるフォーキーなアコギ・チューンで得難い輝きに転じている。ポエトリー・リーディングが随所でインサートされる何気にコンセプチュアルな構成も、ピート・ドハーティの無頼なポエット精神を受け継いだジャックならではの意匠で好感度大。(粉川しの)
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