シザの時代が来る

シザ『コントロール』
発売中
シザ コントロール
やっと国内盤が発売になった現代最注目シンガー・ソングライターの大傑作だ。グラミー賞5部門にノミネートされ、各メディアの年間ベスト・アルバムでも軒並み上位にランクイン。2012年を皮切りに3枚のEPリリースを経てのファースト・アルバムである。ケンドリック・ラマーも所属するレーベルTDEに見いだされ、本作でメジャー・デビュー。

以前よりも音数を削ぎ落とし、音色をさらに研ぎ澄ませ、贅肉を排除し空間を活かしたアレンジが素晴らしく美しく、新鮮で、かつイマジネイティブだ。シンプルだが音場の奥行きが深く、広がりがある。だからシザの若々しくも落ち着いた声と柔らかい節回しが際だつ。今様のエレクトロニックR&Bながらロックやジャズ、フォークなどに通じる音楽性も幅広く多彩で豊かだ。なにより楽曲が本当によく書けている。別れてもカラダを求めてくる男を批判する“ラヴ・ガロラ”など、率直でオープンでディテールの描写に優れたリリックも魅力だ。トラヴィス・スコットやケンドリックなどゲスト参加もあるが、ほとんどを1人で作り上げたという才能には恐れ入ったというしかない。
(小野島大)
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