執念と情熱が輝く時

UNISON SQUARE GARDEN『春が来てぼくら』
2018年03月07日発売
UNISON SQUARE GARDEN 春が来てぼくら
表題曲はTVアニメ『3月のライオン』のオープニングテーマとしての書き下ろし。バラードとしては速めのテンポ、上昇スケールのストリングス、ちょっと異様な回数の転調など、全体に聴き手の意識を前へ運ぶような工夫が為されているのがこの曲の大きな特徴だ。アルバムのページを次々とめくるような展開が描き出すのは、無慈悲に進む時間の流れに抗いも憂いもせず、意思で運命を塗り替えていく人間の強さ。『3月のライオン』でも描かれているその美しさを体現するため、ユニゾン特有の皮肉めいた言い回しは影を潜め、歌詞に関してはシングル曲史上最も透明度の高いものになっている。

言ってしまえば、純粋な名曲。捻じれた遊び心の効いたカップリングの方が彼ららしいと感じる人もいるだろうし、それも理解できるが、元々自分たちの美学を守るように活動するユニゾンにとって「純粋さ」こそ真骨頂なのでは、とも思う。物語の片隅でその曲が光を放つように、あるいは、かっこいいロックバンドで居続けるために。動機のバランス感はあれど、このバンドが輝く時はいつもそこに執念と情熱が在る。(蜂須賀ちなみ)

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