「キャッチー」は音楽のボスキャラ

ヤバイTシャツ屋さん『げんきいっぱい』
2018年05月16日発売
SINGLE
ヤバイTシャツ屋さん げんきいっぱい
前衛的とされる複雑極まりない構造の曲よりも、たくさんの人の明るい大合唱を誘っているポピュラーミュージックの方が過激で先鋭的なのでは? そんなことを感じたことはないだろうか。「キャッチー」は「大衆に迎合」とか「売れ線狙い」とかいう批判に結びつけられがちだが、すり寄ってくるものに何でも大喜びするほど大衆はのんびりしていないし、狙えばヒットするのが当たり前ならば、世の中はミリオンセラーだらけなのになあ……というモヤモヤする気持ちを痛快に粉砕してくれるのが、今作の1曲目“鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック”だ。「これが気持ちいいのです!」ということの追求から逃げず、熱いサウンドを全力で響かせている様が圧倒的にかっこいい。ローラーシューズを履いた子供にぶつかられたことをボヤきながらも、ちょっと欲しそうな様が窺われる“かかとローラー”、タイトル通りの大雑把な内容となっている“ ざつにどうぶつしょうかい”、岡崎体育によるリミックスも収録されている今作は、コミカルでありながらも実はパンキッシュなこのバンドの真骨頂だ。(田中大)
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