どんどん隙がなくなっていく

indigo la End『PULSATE』
2018年07月18日発売
ALBUM
indigo la End PULSATE
アルバムリリースの度に名作を世に放っている、indigo la Endの4thアルバム。3rdアルバム『Crying End Roll』は日本の歌謡曲っぽさが色濃く出た作品だったが、今作はヒップホップ/R&B方面を参照としたビート、グルーヴのある曲が多いのが特徴的。しかしアンサンブルはただ心地よいわけではなく、コード・メロディの進行は時に意表を突いてきたり、リズムやキメの面白さがスパイスの役割を果たす場面も。4人の演奏にはスタジオセッションのような自然体のライブ感が反映されており、構築美の中に「濁り」をもたらすような各楽器の動きがその曲で描かれる主人公の感情をよりリアルに感じさせてくれる。

アウトロの尺を延ばし、ドラマチックに結末を迎える“Play Back End Roll”、ふたりのトラックメイカーによりリミックスされた“雫に恋して”、“プレイバック”、視界がサッと切り開かれるように開放的な響きのする“魅せ者”、川谷絵音の生まれ年がタイトルに冠されたラストナンバー“1988”――とハイライト多数。息を呑むような体験のできる55分間である。(蜂須賀ちなみ)
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