神秘と哀愁と美しさと

おいしくるメロンパン『hameln』
2018年07月25日発売
MINI ALBUM
おいしくるメロンパン hameln
前作『indoor』から約10ヶ月ぶりのリリースとなる、3rdミニアルバム『hameln』。“水葬”、“命日”といった各曲のタイトルからも察せられるように、作品全体には「死」というテーマが横たわっている。そしてこのテーマとバンドとの相性が良く、どうやら功を奏した様子なのだ。変拍子をさらりと取り入れるスタイルのオルタナ系サウンド。声高に歌い上げたり叫んだりするタイプでない平熱の歌声。小説のように端正な言葉選び。元々このバンドが持っていたこれらの特色が本作では正しく活かされている印象。また、日々のライブ経験の賜物か、歌とバンドの表現力も前作から飛躍的に増している。本作にはわかりやすいハイライトはないかもしれないが、その質感からは「もののあはれ」に通ずる美意識を感じる。そういう意味で、日本語ロックってこういうことか!と納得させられてしまった。

ただ、これだけシリアスな作品を引っ提げたツアーのタイトルに「ピーヒョロピッピッピ♫」なんて付けている辺りが全然掴めないし謎。『hameln』だからなのはわかるけども。(蜂須賀ちなみ)
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